8月6日の朝
6時ころ、ピーピーとぴーちゃんが鳴いた。
前の日は 朝5時だったと思う。
睡眠不足のわたしを労わってくれてるのかな?
子猫のスピカも わたしを起こすけれど
その時間は まちまちで 朝5時のこともあれば 8時の時もある。
5日、前夜の夕食は 手巻き寿司だった。
最後の夜になって リトリートも山場を越して
やっと 落ちついて わたしはぴーちゃんを診ることができた。
ぴーちゃん、元気かな?生きてゆけるかな?
その時は、半々の可能性を感じた。
ぴーちゃん ご飯を自分で食べれないから 元気になっても野生に戻せないなあ~
家には猫がいるから 外出にはいつも 連れて出ないといけないなぁ~
車の中は あつくて寒いから、肩に乗って過ごしてもらうのがいいかなあ?そしたら、随分変わり物に見えちゃうだろうな・・・
食事の間 ずっと手のひらに乗せていたので
黒いぴーちゃんが 手巻きずしのように見えて みんなに笑われた。
「有里さん、たべないでね~」
けいちゃんが 気にしてくれたように 確かに呼吸が浅いような気もする。
ちょっと静かというか・・・
ぴーちゃんは
3日に拾ってきて 水と餌をあげて 手のひらでしばらく温めたら元気になったかのように見えた。
水の中には ショックを和らげる ホメオパシーを溶かして スポイトであげて 間もなく 穏やかな波動になり、
「ぴーちゃん 元気になったよ。声に力があるし、 わたしたちが近寄ると 近寄って来るよ、かわいい~」
と、みんなにかわいがられていた。
くちばしが折れて顎も外れてるのに
穏やかに一生懸命生きてるぴーちゃん、とっても愛おしかった。
6日の朝、スポイトで水をあげて そのまま手のひらに乗せて トイレに行く。
てるみぃーに
「トイレも一緒?」と 笑われる。
部屋にかえって ぴーちゃんを見ると
なんだか 息が浅いような気がした。
ぴーちゃんの不自由な身体にとって この3日は 長かったかもしれないな~理由もなく そんな想いが急に横切った。すると、ぴーちゃんが口を大きくパクパクさせている。
「あれっ?ひな鳥って 親が近づくとこんなに口を大きく開けたかな?」
柔らかく煮た粟を割り箸の先に乗せて 口の中に入れてあげたら
ぴーちゃんは 首をぐるりと回して こと切れてしまった。
えっ!???
死んじゃったの?
なんてことだろう、
ぴーちゃんは わずかの体力で生きていて
わたしを呼んで わたしの手のひらで 水を飲み、最後は餌をのどに詰まらせて死んでしまった。
でも、死ぬ その時まで 確かに生きていた。
満ち足りた やさしい波動で 懸命に呼吸をして いのちをつないでいた。
思いがけない 「生」から「死」への転換に
涙がぽとぽと落ちた。
今、旅立ったばかりのぴーちゃんに手を重ねてほしくて
わたしは 居間まで歩いてゆき、朝ごはんの支度に忙しそうな けいちゃんに告げた
「ぴーちゃん、今、死んじゃったの。一緒に手を重ねて。」
けいちゃんは わたしが ぴーちゃんを包んだ手の上に手のひらを重ねて
ぽとぽと涙をこぼした。
「ぴーちゃん ありがとね。」
ひたひたと湧きあがる想いを2人で重ねて 大切な瞬間(とき)を受けとめていた。