電話が鳴った。知らない若者の声。
「遊里庵ですか?あの・・勤行したいのですが・・明日夕方 行ってもいいでしょうか?」
「???」
「え、ここは、普通の家ですが、どこで聞かれたんですか?」
昨年、高遠町にあるフリーキッズビレッジの サマーキャンプのボランティアをして、そこで、愚静庵(ぐじょうあん)の静悦さんに聞いたという。
どうして、わたしが お念仏してること知ってるのかな?
昨年の夏は、わたし あんまりお念仏もしてなかったよ・・
でも、今は、出家道場から帰ったばかり、なぜ、うちに来るのか、その成り行きはよくわからないけれど、ちょうどいいかも。まるで、知ってるかのようなグッドタイミング。
ということで 昨日の午後4時、
29歳の若者 Dくんが みかんを手土産に やってきた。
初対面。
「はい、どうぞ。」 と こたつに入ってもらう。
どうやら、Dくんの中で
本應寺のお坊さん、尼さんが ひらいたばかりの
「大静庵(だいじょうあん)」と「遊里庵」が 混同されてたみたい。
「次回は、大静庵に行ってきたらいいね、そこには本物の尼さんとお坊さんがいるからね。」
彼は、調理師で 少し前に 統合失調症を病み、スローダウンしながら なにか求めているようだった。
ということで お茶を飲み、いろいろ話して 夕の勤行を 一緒にやって、うたを1曲うたい、シェアリングをしてすっかり なごんだ。
シェアリングを説明して
ハートの石を 手渡したら
「僕 話すの苦手なので 緊張しています」
と小刻みに震えながらも 静かに自分の心を感じ、感じてることを話してくれた。
そして、「こんなふうに 話をできるところ、聞いてくれるところは あまりないです。今度 僕の彼女も連れてきたいです。」
勤行の間に インスピレーションがやってきた。
彼が求めてる何か~は、一人ひとりの個性を伸ばしてゆく、コミュニティー的な 共同作業の中にあるのではないか? ということだった。 彼は、生まれ育ったご両親の家から、仕事に通っている。そこでは見つからないなにかを求めて、こうやって 出かけて来てるのではないか?
彼を見送ったら 夕ご飯料理しようと思っていたが、
出てきた言葉は
「今からご飯作るけど、もしよかったら 一緒に作る?」
そしたら、Dくんは
ゆっくりとじわっと、嬉しそうな顔になり
「いいんですか?」声も和らいでいた。
そして、Dくんに薪ストーブを燃やしてもらい、
玉ねぎと ニンジンを 刻んでもらい、
わたしはスパゲティーをゆでて、
たらこ&ベジタブル スパゲティーと、アルコールフリーのビールで乾杯。
一緒にかたずけ、
暗くなったころ見送った。
「ありがとうございました・・・
僕、ここ 好きです。
とっても楽しかったです。
今度、僕の彼女と一緒に 来てもいいですか?」
「うん、いろいろやることもあるし、 障子を貼リ直してもらうとか・・・」
「あ、ネコの破ったところ?」
また、じわっと 嬉しそうな顔。
やさしい青年だな~
出家道場に出たら
ほんとに
昨日は、道場になっちゃった。
いいな、こんな感じで
人が来るのも。