愛の花

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お父さんの庭を、みんなできれいに!やっちゃえ!の巻

7月2日、朝、7時 静岡の実家で目覚まし時計に飛び起きる。寝不足の目をこすりこすり、
愛知からやってくる友人夫婦を迎える準備と、父の朝ごはんの準備に出動!

前夜は、一日、コンサートで、そのまた前日は、金沢市から静岡へ移動。毎日が、お祭りのようだ。有意義な仕事に恵まれている。

父は88歳の一人暮らしで、緑豊かな庭は、草も木も伸び放題。木の枝は道路へ伸びて、電線にもかかろうとしている。

ご近所様たちも、父の高齢に免じて目をつむっているんだろうな。1か月前に、草刈りはしたけれど、木の剪定は自信ないし、父の家では、わたしのやることは多くて、庭の手入れまでやりきれる自信がなかった。

フェイスブックで「誰かヘルプ!」と写真をさり気にアップすると、愛知の友人夫婦が名乗り出てくれた。

わぁー、友だちと会うだけでもうれしいのに、難航してる「実家」プロジェクトを助けてくれるなんて、なんて嬉しい!ありがたい。
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ところで、父は、時に、めちゃくちゃ気難しい専制君主になることがある。わたしは子ども時代、怯えて育った。そこを脱したのは、2回(15年間)も勘当を言い渡されて交流が絶えても、自分の生き方を通したことと、父との関係を見直して、父に愛され理解されることを諦めて、父を助けることを決めたからだった。

しかし、庭の手入れを友達が手伝ってくれる件については、慎重を期して3回、伝えて手ごたえを探った。

「お父さん、次に来るとき、友だちが、庭の手入れ手伝ってくれることになったの。愛知から来てくれるから、ごはん一緒に食べて、二階に泊めてもいいかな?」

「お父さん、愛知からの友達は、無農薬ミカンを作ってる農家さんなの。庭仕事は、汗かくと思うから、お風呂を使ってもらってもいい?」

「休憩する時、二階を使ってもらってもいいかな?」

すべての問いかけに、父のネガティブ反応はなく、ほっと胸を撫でおろし、腕まくり。「よっしゃ!やるぞ。」
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              (夕方、美花ちゃんが玄関前のアプローチを履いて仕上げてる)
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美花ちゃんからメールがあった。「あと、2分で着く」

そのとき、父がいきなり

「今日は、誰が来るんだ?」「誰が庭をやってくれと頼んだか?」「いったい誰の庭だと思ってるんだ!お前の庭じゃないぞ。」「ゆりこの友達が遊びに来るのはいいが、庭を触ってもらうわけにはいかない。僕は、お客さんは嫌いじゃないから話はするが、それで帰ってもらう。」

と言い出した。

父は、一度言い出すと決してひかない。家族の中では横暴とも思えることを父は通した。

しかし、今回は、愛知から軽トラで3時間もかけて準備万端で来てくれる二人を、なにもしないで帰すわけにはいかないから、父を言い負かしたことは一度もないけれど、2分一本勝負に挑んだのだった。笑


「わたしが、家に帰ったら、わたしは掃除、洗濯、お風呂、お料理、庭の手入れを、わたしの意思でしているよね。お父さんに頼まれたわけではなく、お父さんが年をとったから、できるだけ手助けをしてるよね。その手助けは、わたし一人では無理なこともあるの。庭の木が伸び放題になってるところは、わたしの手ではなんともできないから、そのわたしを助けてくれる友達が遠くから来るの。遊びに来るんじゃないの。」


すると、父が発した言葉は、過去のトラウマを想起させる言葉の数々で、思い出したくもないが、最後の締めは

「お前は自分勝手だ。自分のことしか考えていない。そこに立って反省しなさい。」


小さいころ、何度 その言葉で、家の外に立たされたことだろうか。

割っていないガラスコップを「割った。」と決められて、嘘を言ってると決められて、家の外に、反省するまで立たされた。反省することなどない時に、父の命令に従って、何時間も ただ立っていた。

立たされるときは いつも なにもしていない時だったな。

「なにもしていないのに、反省しろと、何度立たされたことか。わたしは、反省することはなにもない。お父さんが反省すればいい。」
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               (これは一緒に夕ご飯たべてる)

そこへ、二人が到着したの。

わたしは、慌てて外へ出て、二人に事情を話した。

二人は戸惑いながらも、「遊びに来るつもりで来たから大丈夫だよ。」と言って、父とお茶を飲んでくれた。

父は、月に40冊くらい今も本を買って、思索を続けている。大学教授を退職してからはアウトプットが足りないために、誰が目の前に来ても、政治や歴史、自分の考察についての話が止まらなくなる。父は、二人を前に、いつもの調子で話しが、始まっていた。

頃合いを見て、美花ちゃんにお父さんの話し相手を任せて、啓吾さんの肩をつついて、二階へ案内して、作戦会議。


「お父さん、二人を受け入れたから、庭を触ってももう大丈夫だよ。」とわたし。
「庭にすごく思い入れがあるんじゃないの?」啓吾さん
「そうじゃないの。引っかかるとああなるの。でも案外こだわりはないんだよね。」
「なんにもしないで、帰るのは、気分がすっきりしないから、草刈りから始めようか。」
「うん、そうしよう。もう、なにしても大丈夫だと思うよ。」
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            (これは、だいぶすっきりした庭)

それで、玄関のアプローチから順に草刈りを始めたんだけど、途中で二人とも、自然に本気モードに。
「ここも、でっぱってるから切りたいね。」

美花ちゃんも途中から庭に出てきて、三人で本気になると、

「やっちゃえ、やっちゃえ。」

父が、不機嫌になることを恐れるのではなく、父が気持ちよく暮らせることを願って、3人でやり切った!
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刈った枝や草も積んでおくと虫が発生する。全部、二人が軽トラに積んで愛知へ持って帰ってくれたの。
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途中、啓吾さんが蜂に刺されて、そのあと、わたしも刺された。初ポイズンリムーバー体験をした。みんなで作業すると、あらゆる状況に対して、心強い。

わたしは、「もし、父が庭の剪定を気に入らなかったとしても、わたしが叱られるから大丈夫だよ。でも、父も3日したらやってもらってよかったと気づくはずだから心配ないよ。」

庭がきれいになって、風通しがよくなり、すっきりして、父と4人で夕食を食べた。
父は、また、話し相手ができて嬉しそうだった。庭先に出て、「アプローチがすっきりした。ありがとう。」と言いました。

これは、奇跡だなぁ。
白でも黒と決めたら譲らない父が、その日のうちに、「白はシロ」「黒はクロ」と自分の主張を変えて、意識を共有できた。

父が時々、専制君主になるのは、祖父がめちゃくちゃ横暴な人だったから、その関係が癒されていないからだと思うのです。

無条件の愛を動機に、難しいところを関わってくれた血縁を超えた二人がいたから、その日のうちに 固まりが溶けたんだなぁ。
わたしも、小さいころ、言えなかったことを言えてよかったと思います。
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      美花ちゃん啓吾さん、やっちゃえな充実した一日を、ありがとう。いい汗かきました!



by ainohanaMusic | 2019-07-08 16:29 | 心の旅日記 | Comments(0)