愛の花

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新しいバイオリンとの出会い

ドラマチックなコンサートツアープロローグ、本編、最終章の続きです。
なぜ、バイオリンが壊れてしまったのか、それは、最終章に書いてありますよ。

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9月4日(月)、東京は本應寺に到着したのが夜9時頃。心身共にくたくただった。

M2カフェで打ち合わせ前に、武蔵小金井の宮地楽器に電話を入れてあり、翌日開店時間には、お店に行くことを決めていた。

「はい、ちゃんと記録にありますよ。2年前、クレメント&ワイスをお買い上げくださったお客様ですね。ありがとうございます。保障してさしあげることはできないのですが、あとは気持ちの問題ですね。なるべくお安くさせていただきます。楽器を用意してお待ちしております。」

そう、壊れてしまったバイオリンは、2年前、茨城のコンサートツアーの帰りに、思い切って買ったものだった。3ヶ所のコンサートが、女性たちのオーガナイザーによって、とても充実したものとなった。当時使っていた、200才を越えたイタリア製のバイオリンには、割れ目が生じ、毎回、演奏するのが不安な状態になっていた。コンサートの全収益と貯金をおろして新しいバイオリンを買った。わたしのところにやってくる経済は、たくさんの方々がコンサートに足を運んで、与えられたものだから、こうした形で還元し、さらにいい音楽を提供していこう。

2年で天命なんて、随分短かったねえ。でも2枚のCD製作と、たくさんのコンサートに活躍してくれたね。一緒に旅をしてくれてありがとう。
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本應寺では就寝前に、お上人に出来事をお話した。

「大事にしすぎたんだよ。この世では、あの人と別れたくない、これを失いたくない~と執着すると、必ず別れがくるもんだよ。」

驚きつつ、明るく優しく、笑い飛ばしてくれた。

ほっと、するんだよね。このお方に聞いていただくと。

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翌朝、勤行を終えて、一路楽器屋へ。

出し惜しみしない、ということを心に決めて。
自分の払えるお金には限りがあるけれど、こんなことになって 新しい楽器を買うのだから、納得の行くものを選ぶことを心に決めていた。

山本さんという若い店員さんの用意してくださったバイオリンは数台。
前回購入したドイツのクレメント&ワイスが製作指導し、半手工品(半分が工場で、半分が手作り)グレードのもの。イタリア製の半手工品、イタリアで学んだ日本人の完全手工品。

次々と弾いてみる。クレメント&ワイスは、同じ製作者、同じグレードなのに、なぜか前回のバイオリンより、弾きやすいし音がいい。不思議だな。
イタリアの楽器は、音が華やかで魅力的。
日本人の楽器は、音の鳴りはこれからだけど、素直なハートに届く音。

クレメント&ワイスの完全手工品も持ってきてもらった。これ、すごくいい。さらに高価になるけれど、なんてつややかな音だろう!

山本さんがおっしゃるには、「クラシックをやっていると、音が華やかで響きのいいものがいい楽器と評価されるんですよ。でも、吉本さんの音楽の場合、わたしたちにはわからない、別の基準があるようなので、若手ですが、わたしの友人でもある日本人の楽器もお持ちしたんですよ。」

いろいろ質問しているうちに、新しい楽器も出してくださって、楽器を選ぶための素敵な個室には10台くらいのバイオリンがずらっと並んだ。一番高価なものは200万近い。とてもじゃないけど、一時金では買えません!さらに、弓もバイオリンケースも買わなくてはならない~。

いつも、大事なことを自分の意志で決めるときは、一人にさせてもらう。
この時は、誠さんと二人にさせてもらった。弾き比べているうちに、クレメント&ワイスの手工品(高いほう)と日本人の楽器がクローズアップされてきた。

最後の決め手はなにかな。

「誠さん、ギター持ってきて。アンサンブルしてみよう。」
そして、二人で次々と、いつもの曲「観音さま」や「光の輪の中で」「愛のはじまる場所」の前奏など弾いてみたの。

そしたら、びっくり。
断然に、クレメント&ワイスの半手工品(前回、購入したものと同じ)が、光ってるんです。
ハートに深く入ってくるし、曲調にぴったり。これ以外ないですねえ。どうしたって、これだよね、って二人で納得。わたしの歌には、わたしの声がぴったりであるように、世の中には魅力的なバイオリンはたくさんあるけど、この楽器の個性が、わたしの歌にはぴったりなの。

そして、この楽器が、用意された楽器の中では一番安価なものでした。(それでも、高価だけど)
弓は、安定感のある前回より高いものを選びました。ケースは、前と同じ軽量タイプで赤、でも小柄なものを選びました。ありがたいことに、2台目ということで、値段もだいぶ安くしていただけました。

支払いも済ませて、とても満足感に溢れていました。

店員さんにはわからないことだけど、わたしと誠さんには、はっきりわかったこと。
双子のように、同じ楽器だけど明らかに違う音。同じ個性だけどグレードアップした音。それは、製作者もこの2年の間に進化したということなのでしょう。

今のわたしに、ぴったりな楽器に、出会わせてくれてありがとう。

楽器屋さんから出て、うなぎを食べました。
ささやかなお祝い。

新しいスタートだよ。

前のバイオリンの魂が、新しい器を求めた~そんな風にすら感じられるんだよ。不思議な不思議な、別れと出会いの物語。
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by ainohanaMusic | 2006-09-09 09:14 | 心の旅日記 | Comments(4)
Commented by unigiri at 2006-09-09 12:51 x
よかったね、自分で終わりにしたことも、
またそれもよかったことなのかも。
Commented by ainohanaMusic at 2006-09-09 13:45
そっか~。
そんなことになっていたとは!
Commented by きよ at 2006-09-09 22:27 x
「大事にしすぎたんだよ。この世では、あの人と別れたくない、これを失いたくない~と執着すると、必ず別れがくるもんだよ。」
納得!!

新しいバイオリンと、それと一緒に有里さんの歌が聞けるのが楽しみです。
Commented by ainohanaMusic at 2006-09-10 15:20
きよちゃん
お上人のおっしゃることは、いつも深いのですが、執着しないで愛するって、すっごく難しいことだよね~~。

カリフォルニア時代の友人が、海辺で瞑想していて、「とても幸せで、家族を愛している。でも、この愛ですら、変化してゆく。」と気ずきがあり 涙が後から後から流れたと~~昔聞いたことがありますが。その家族に、もうすぐ会いに行くよ。