愛の花

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ドラマチックなツアー(最終章)

さて、翌朝、9月4日(月)、波の音と可愛らしい子どもたちの話し声に目を覚ました。海のすぐ側に建っているログハウスの三角の屋根裏部屋。昨日、海のコンサートに4人の子どもたちを連れて参加してくれた志保ちゃんの家。夏のリトリートで一緒だったひーちゃんも、東京からはるばる参加して、一緒に泊めてもらった。
 朝、7時半。でも、8時には出発しなくちゃ。今日は、午前10時からひたちなか市の友人の企画でシェアリング&ライブの小さな集まりがある。午後は、昨日のコンサートの場所として最初に話が持ち込まれていた東海村のM2カフェで、打ち合わせ。マスターは、短い時間にあせって準備するのではなく、きちんと段階をふまえてコンサートを実現させたい~との意向だった。

昨夜、寝る前に、誠さんと話したこと。
「今回の海のコンサートはドラマだったねえ。場所も、主催者も、どんどん変わって、でも結局1週間という短い時間に、みんなの心がやる気になって、ほんとにいいコンサートになったねえ。でも、まだ終わりじゃないんだね。明日もあるんだからね。これ以上、どんなドラマがまってるんだろうねえ。」

朝、8時5分。
「8時には出発しないと間に合わないよ。」とわたしに、言っていた誠さんが座りこんで話している。もう~出発時間になると、話し込むのはやめてほしいなあ。
昨夜、潮風で音が出なくなったバイオリンの弓、ちょっとだけおひさまに干していたのを片付けて、さあ、出発。車の後ろに積もうと思ったら、誠さんの背中が立ちはだかった。志保ちゃんと、ひーちゃんに渡したいチラシを、今頃になって一生懸命探している。
もう、仕方ないなあ。わたしは、なにも考えずに、運転席に座った。志保ちゃんの家に再び入ってしまった誠さんを待ったが、なかなか、出てこない。
Uターンしておこうと思い立ち、バックが苦手なので、後ろを見てほしいなあと少し、待ったけれど時間がない、もう、なにしてるんだろう、と思いながら、車を動かした。なにも、ないはずなのに、車が止まってしまった。石があるのかな?窓から顔を出してもなにも見えない。波の音が大きくて、ここから誠さんをよんでも聞こえないだろうな~。さらに、おもいきって、バック。車は動かない。石をどけよう、と思いエンジンをかけたまま、車を降りた。

え~~なぜ?どうして?

車の下敷きになっていたのは、バイオリン。どうして、車の後ろにバイオリンがあったのかまるで記憶にない。後で、誠さんから聞いた話では、わたしは、チラシを探している誠さんの背中に阻まれて、バイオリンを車の後ろにたてかけたようだ。誠さんに無意識に渡したつもりでいたのだろう。

慌てて、車を少し前に出して、バイオリンを救出。
おそるおそるひしゃげたケースを開けてみたら、見るも無残なバイオリン。弓も、ケースも、本体も見事に、一瞬にして壊れていた。助手席に乗り込んできた誠さんに、「たいへんなことになったよ。」と一言伝え、そうっと、バイオリンケースをあけた。泣き出しそうな誠さん。
「なにも、言わないでね、みんなには、今は言えない。このまま出発するよ。」

車を走らせながら、
「どうして、こんなことになってしまったんだろう。バイオリンはいつも一番大事にしていて、どんな時でも、背中にしょって歩いていたのに。自分で轢いてしまうなんて。」

わたしにとって、バイオリンは物質の中では一番大切なものだった。カリフォルニアの山で山火事にあった時も、しっかり一緒に非難して難を逃れた。高速バスでも飛行機でも、バイオリンだけは預けずに一緒に行動していた。

「飛行機が落ちても死なない人がいるのに、石ころにつまずいて死ぬ人もいる。」

そうなんだなあ、いつもいつも大事にしてきたけれど、今朝は車の下敷きになっていることすら気がつかなかった。なぜか、わからないけれど、信じられないことだけど、これは避けられなかったんだなあ。朝、まだ意識が朦朧としていた上に、あせっていた。これは、最悪のことだけど、きっとわたしには必然の出来事、最善の出来事なんだ。

助手席の誠さんが、異様に落ち込んでいる。運転をしながらわたしは、念仏を唱え始めた。

「誠さん、わたしのバイオリンをわたしが轢いてしまって、この現実をなんとかしなきゃあいけないのはわたしなんだから、隣で落ち込むのはやめてくれない。わたしが、誠さんを励まさなくちゃいけないなんて、ちょっと逆じゃないの。」

運転しながら、新しいバイオリンを買うことを決めた。それしかない。一瞬にして大切にしていた高価な(わたしにとっては)楽器がなくなってしまった。わたしにとっては、バイオリンと声は、なくてはならない大切なものなんだなあ。

でも、どんなバイオリンと出会えるのだろう?そして、経済的にはクリアできるのだろうか?

そして、この胸の痛み、壊れた無残なバイオリンの姿が脳裏にちらちらして、車に轢かれるシーンがよみがえってくる。消化するのに何日かかるかな?

*****
友人の企画してくれたシェアリング&コンサート
もちろん、起きたばかりの出来事をシェアしましたよ。
「最悪にみえる出来事は、実は最善の出来事であることを、このところ経験上感じているので、これもまた、わたしにとっては、最善の出来事になっていくのだと思います。今は、まだ、どういうふうにそうなるのか、わからないので、また後日報告しますね。」
「今までのわたしは、偶然が重なって、大きな出費をしなくてもいいように、困らないように、事故から、守られてきたように思うの。でも、今回は、それが全然働かなかった。そのことにも、びっくりしてる。ていうことは、もう自分でクリアできる時期に入ったんだと思う。」

これが、言えてよかったな。だって、そのとうりだったのだから。

そして、この日はさすがに朝10時から弾くバイオリンを探そうとはしませんでした。おきた出来事があまりに大きくて、なんとかしよう、なんて思えなくて、バイオリンを持たずにコンサートするつもりでした。
ところが、「あの、こどものバイオリンがあるんですけど、もしよかったら、弾いてください。」と、会場となった家のバイオリンをお借りすることができたの。4分の3の小さな子供用バイオリンだったけれど、嬉しかった。やっぱり、守られてる~~。

そして、午後は、M2カフェで打ち合わせ。
窓からあたりの景色がよく見える、気持ちのいい喫茶店でした。コンサートするのにも、とってもいい感じ。
「出会いは一生の宝ですから、始まりからちゃんと出会っておきたかったんですよ。」、とマスターは真剣で、コンサートへの思い入れも充分感じられました。

11月28日(火)夜7時からコンサート。開場は6時からで、マスターがカレーを用意してくれて、希望者は夕ご飯も、ここで食べてくださいね。

さて、最終章のつもりでしたが、まだ話が続きます。

次は、「新しいバイオリン」との出会い~~です。お楽しみに。

ちなみに新しいバイオリンとは、事故の翌日、9月5日に出会い今、満足して弾いていますよ。
by ainohanaMusic | 2006-09-09 04:52 | 心の旅日記 | Comments(0)