愛の花

ainohanam.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

出会いと別れの春

4月28日、日常が再開して4日目の朝、満開の桜が散り始めた。
桜が開花後も霜が降り、幾分か長持ちした桜だが、ハラハラと散り始めたこの朝は日差しもまぶしく春の陽気。
 「春のリトリート」以来、朝の勤行を終えると、同座した仲間でサークルを作り、朝のシェアリングをして、数曲歌うのが日課になった。、
「今日は、桜の木の下でうたおうかな。」と、ギターとバイオリンを持って誠さんとおもてに出た。舞い散る桜に誘われて、やっぱり「花びら流れて」が歌いたい。
 聴き手は、みどりちゃん一人。でも、風も、桜も、見えない存在たちも そこに集い、共に響きあう。そして、5月1日から再び家を空けるので、夕方までは、またいろいろと忙しく過ごした。
 
夕方、洗濯物を取り込んでいたみどりちゃんが、ふと声をあげた。『隣の家、ちょうちんが出ている。誰か、亡くなったんじゃない?』「あ!守屋さんのおじいちゃんが亡くなったんだ。去年からずっと、入院していたから。」
d0024504_1655366.jpg

日常の中であまりにも自然にやってきた死。足が悪かったおじいちゃん、体から解放されてやっと、自由になったんだ。不思議と悲しみはなく、舞い散る桜、命のめぐりを体感してたわたしの心に、守屋さんの「移行」が、自然に流れ込んできた。一番美しい季節に旅立ちだね。おじいさん、病室から久しぶりに解放されて、まっしぐらに村に戻ってきたんでしょう?ほんとにきれいな桜だよねえ。よかったねえ。もう、逢えないのかな?心の中にはくっきりと見えているし、悲しくないよ。畑をやってるときはいつも思い出すよ。みんなおじいさんに教わったことだからね。わたしが、畑をはじめたのは、畑に立つおじいさんの姿がとても素敵だったからだよ。(下の写真は、数日前、畑を耕す誠さんのショット)
d0024504_17195592.jpg

84歳になる守屋春雄さん。わたしは、このおじいちゃんに畑を教わり、おじいさんは、わたしのうたをとても気に入って、眠る前には必ずテープ(CDプレイヤーは持っておられなかったので)で、私のうたを聞かれて眠る~という思いの流れるご縁をいただいていた。
*********
老齢化し13世帯しかないこの小さな部落で、人が亡くなったら、どうしたらいいんだろう?親戚の方々もお集まりだろうし、とりあえず、反対どなりの孝子に電話してみた。『たぶん、明日がお通夜で、部落の人は その時、みんなでお焼香するの。そして、お葬式の手はずを相談することになるから、総代さんから電話が入るまで動かなくていいよ。』

翌朝は、部落の作業。「田柵」といって村には柵がめぐらしてあって、山から畑への動物の侵入を防いでいる。その「田柵」に絡まる蔦や、倒木を除去する山仕事。作業に行こうと思って、道具を揃えていたら、隣のおばあさんが小走りに走ってきた。『作業にでるのかい?そしたら、ちょっと、その前におじいさんに会ってくれないかね。今、親戚もいないし、静かなんだよ。今日、焼き場に行って骨になってしまう前に。』おばあさんは、涙をぬぐいながら、わたしの手をとり、わたしは、おばあさんの背中をさすりながら、二人で走った。
d0024504_17204892.jpg

昨年、おじいさんが伊那の病院に入院して以来、おじいさんには会っていなかった。おじいさんが家にいたときは、わたしがコンサートツアーから戻ると、おじいさんがすぐにやってきた。共通の体験もなく、会話はほとんどお天気と畑のことくらい。それでも、玄関先で交わす一言二言に嬉しそうだったおじいさん。野菜の時期には、食べれないくらいの野菜を毎朝、届けてくれた。病院にお見舞いにいかなきゃあ~、と思ってはいたのに、忙しさと、気後れで、会えないままになってしまった。行けばよかったなあ、でも、悔やんでも仕方ない。

おじいさんは、お布団の上に眠っていた。顔にかけてあった白い布をとったおばあさんは、『やせてしまったけれど、安らかな顔だろ。見てあげておくれ。』と、おじいさんの気持ちを汲んでの久しぶりの対面だった。お焼香をさせていただき、家に戻ると作業集合時間まであと、15分。とっさに、2階にいた誠さんに声をかけて、楽器を持って、またおじいさんの家に走った。

『おばあさん。おじいさんに1曲聴いていただいてもよろしいですか?』

お世話になった守屋さんの枕元で歌った歌は「わたしは船の中」。ギターを弾く誠さん、おじいさんの横で聞いてるおばあさんの頬に涙が伝った。『ありがとうございます。これで、気持ちよくあの世に行けます。』とおばあさん。

そして、村の作業。わたしは、コンサートツアーで家を空けている日が多いので、村や学校にはずいぶん不義理をしている。この日は、参加できてほんとに、良かった!山の中を歩きながら、たくさんの倒木に目がいく。「総代さん。実は、わたしの家はお風呂もストーブも薪なので倒木が欲しいんですけれど、時々、この山に入って、おちてる薪を拾ってもいいでしょうか?」
『あんなので、良ければ、いいよ。昔は、薪拾いも、誰の山だとか、うるさかったもんだが、これだけ人が少なくなったんだから、もういいだろう。』

こんなやりとりが自然にできたのも、亡くなった守屋さんのプレゼントであるような気がした。この村の中で一番わたしのことを気にかけてくださった方だから。

村の作業の後は、お花見の宴会。この宴会には、新住民のご夫婦の歓迎会も含まれていた。奥さんのおなかには赤ちゃんが宿っていた。宴会の終わりに、わたしは再び「花びら流れて」を歌った。この小さな部落に暮らすお年寄りは、この土地で生まれ育った、幼なじみ同士。出会いと別れの春は、ぽかぽか陽気で、舞い散る桜の中、しみじみと過ぎていった。
******
午後は、八星とサイクリング。超忙しい、日々のどこかでこどもたちの心と体としっかり出会っておきたい。夕方には、お通夜。そして、5月1日は、お葬式に出席したその足で、大阪へ。

5月1日から8日までは、大阪は吹田市樫切山にあるトルース教本部で行われた「陰陽霊法」の研修会に、参加してきました。今回は、わたしが「陰陽霊法」をなぜ学ぶことになったのかが、腑に落ち、これから長い付き合いになる「療法」との出会いには目に見えないお導きがあったんだなあ、としみじみ感じています。。
d0024504_1721239.jpg

 「ご霊器」と呼ばれる「温冷機」は、氷で冷やす「冷球」と内側に線香を入れて温める「温球」の二つを交互に体に当てることで、血行を良くし、自律神経を働きを活性化させるシンプルな「療養機」です。でも、シンプルであるがゆえに、経絡などの当てる場所の基本を学んだ上で、自分を大いなる宇宙の中心に自在につかっていただく、という委ねる謙虚な姿勢が重要になってきます。ミュージシャンのわたしにとって「ご霊器」は、「楽器」や「喉」に該当します。コンサートでは、自分を空っぽにして、入ってくるエネルギーに委ねて歌うと、伝わってゆくのですね。歌う対象を前に、初めて曲目やお話しする内容のインスピレーションがやってきます。歌いたい歌に固執せず、対象と向かい合っった時に、おのずと選ばれてゆく歌を歌う。何故かはわからないけれど、インスピレーションに忠実に歌うとエネルギーの通りが良く、満ち足りたコンサートになるのです。
 「陰陽霊法」も、患者さんと向かい合った時に、「良くなりますように。」と願いを持って、「宇宙の中心にある御心」につかっていただく姿勢で向かい合った結果、知識や技術を越えて「回復」をもたらした事例には驚くばかり。研修会に参加された多くの方々から、親戚や自分自身が難病から救われたお話を聞きました。現代医療に見放された方々が救われて健康になって、他の方々の「癒し」を始めている姿は凄いなあ~と、感動しました。

歌に出会って今25年。専門的、技術的な学習はほとんどしたことがありません。ただ、自分の人生そのものが大きな学びの現場になっています。自分の本心とインスピレーションに忠実に歩くと、変化し続けることになるからです。自然に近い暮らし、思惑を越えて宇宙の真理に添って生きるということそのものが、心の質を高め、「うたを受け取る心の器」を育てているようです。

「癒し」のアプローチに、歌に加えて、陰陽霊法がやってきたのは、偶然とは思えません。体の状態が悪ければ歌も歌えないし、聞くのも辛いですからね。「宇宙陰陽心身一如」。心と体の癒し、陰陽のバランスをゆっくりと確実に学び、そのうち、長野の自宅「遊里庵(ゆうりあん)」でも、陰陽霊法を学べるような機会が提供できたらいいなあと、感じています。

さてさて、あさって、13日からはコンサートツアーです。滋賀県、岡山県、鳥取県、京都、名古屋、5ヶ所でコンサートが企画されています。明日には、新しいCD「観音さま」「こどもたちの心」のイラストと歌詞入り6種類のポストカードもできあがり、ツアーに持参できます。スケジュールの詳細は、ホームページを見てくださいね。帰宅は、21日になります。

そして、25日からは、今度は、茨城県は日立市、水戸市、東京は藤野でコンサート。

どこかでお会いできるといいですね。

こんな慌しい日常でも、誠さんやみどりちゃんに助けられ、畑の方も順調。21日に帰宅したら、夏野菜の苗をた~くさん植えますよ。夏には、おいしい野菜が食べれますように。
by ainohanaMusic | 2006-05-11 17:51 | 心の旅日記 | Comments(2)
Commented by じぞう at 2006-05-21 01:20 x
名古屋でのコンサート楽しく参加させて頂き、ありがとうございました。
長旅の疲れも感じさせない、力強い歌声と、心に染みいる詩に聴き入っていました。
また、誠さんとはゆっくりお話しが出来、友好を温められたと思っています。
お体には気を付けて楽しい活動が出来ることを願っています。
Commented by ainohanaMusic at 2006-05-21 19:12
じぞうさま
コンサートに来てくださってありがとうございました。
先ほど、我が家に戻りました。久しぶりの家、こどもたち、いいですね~。
明日は、夏野菜の苗を畑に植えます。

また、きっと、名古屋に行くことになると思いますが、機会があれば、他のところでもお会いしましょう。地蔵さんは、どんな人生を歩まれた方なのかなあ?と昨夜は、思っていましたよ。